アニメ声は有利!?特徴的な声はプロの声優になりやすいのか?

アニメ声は有利!?特徴的な声はプロの声優になりやすいのか?

声に特徴があったほうが声優になりやすいのでしょうか?

なるほど、このような疑問はもっともだなと思います。

プロの声優さんの中には、凄く特徴的な声を持った方がいらっしゃいますからね。

そして、そのような声質を持った多くの声優さんが様々な作品で大活躍しています。

そのため、一般的な認識として声優=特徴的な声質を持っている人と思われがちになるのは仕方のないことかもしれません。

また、声優志望者さんの中にも、特徴的な声質の持ち主に出くわします。

声優オーディションの審査をしていると、志望動機が「周りから面白い声だねと言われて声優を目指した」と言う方が一人はいるくらいです。

声優を目指すきっかけはなんでも構いません。

某有名声優さんの志望動機は満員電車に乗りたくなかったらしいですからね(笑)

それはさておき、今回は巷でまことしやかに言われている、声が特徴的=声優になりやすいの法則が本当に当てはまるのかについて解説していきます。

「アニメ声」などに代表される特徴的な声は、声優オーディションにおいて印象に残りやすいというのは間違いありません。

ですが、それが必ずプラスに働くかと言うと少し違ってきます。

 

アニメ声の声優志望者はオーディションで不利!?

近年のアイドル声優ブームやYouTubeなどの動画配信サイトなどの活用により、アニメ声の需要は高まっています。

やはり、人々の耳を引き付ける特徴的な声質は、その人の才能の一つなのだと思います。

ですが、アニメ声などの声質が声優オーディションにおいて必ずプラスになるかと問われれば、それはNOです。

特に育成に重きを置いた声優オーディションなどでは、アニメ声は敬遠されやすい傾向があります。

なぜ育成に重きを置くとアニメ声が敬遠されてしまうのか。

実は、アニメ声の声優志望者の多くが、間違った発声をしているからなのです。

 

アニメ声の正体は喉声!?

残念ながら、アニメ声を出している声優志望者の多くは喉声を使って発声をしています。

もちろん、喉声を使わずにアニメ声を出せている人もいると思いますが、今回は除外させてください。

そもそも喉声とは何かというと、喉を極端に閉めて絞り出すように声を出すことです。

この発声方法では、声帯に大きな負担がかかり、大声を出したり、セリフが多いキャラクターを演じるのが難しくなります。

これではプロの声優として活躍することはできませんよね。

そのため喉声の声優志望者さんは、声優学校で発声訓練を行い発声方法の改善を図ります。

ですが、喉声の改善は簡単ではありません。

 

アニメ声(喉声)の改善は難しい!?

喉声の改善方法は、喉を大きく開いた状態で発声できるように訓練していきます。

そうすることで、その人が本来持っていた、いわゆる地声を使うことができるようになるのですが。

ここで問題が発生します。

その改善された声は、はたしてアニメ声のままなのでしょうか。

残念ながら、多くの場合はアニメ声ではなくなってしまいます。

なぜなら、その人が出している声は、アニメ声ではなくただの喉声なのですから。

そのため、アニメ声を出している声優志望者の多くは、無意識に自分の声を修整するのを敬遠します。

その声を褒められて声優を目指している人もいるのですから、当然のことだと思います。

その結果、喉声と言う悪い癖を改善するのに時間がかかってしまうのです。

声優の育成を担当している声優オーディションの審査員は、そのことをよく知っているため、アニメ声の声優志望者を敬遠しがちになるのです。

 

プロの声優が使うアニメ声は鍛えたもの

プロの声優の中にもアニメ声の人はいるじゃないか!!

確かにプロの声優さんの中にも、アニメ声をお持ちの方はたくさんいらっしゃいます。

しかし、その方々の多くは、最初からその声質を所持していたのではなく、日々の訓練によって鍛え上げられた声質です。

また、元々特徴的な声質を持っていた人であっても、喉声を使って演じている声優さんはほとんどいません。

まさにプロの声優さんが出しているアニメ声は職人芸と呼べるものなのです。

 

焦らず地道に喉声の改善を!!

では、アニメ声(喉声)を出している声優志望者は、声優になりにくいのか?

それも違います。

確かに、喉声の改善には時間がかかるでしょう。

ですが、今現在自分が出している声に固執せず、きちんとした発声方法を身に着けることができれば、あなたの声はプロの声優にも負けない魅力的な声質を持つことができます。

大切なことは焦らないことです。

絶対に声優になるという強い覚悟を持って訓練すれば必ず身に着けられるでしょう。

 

声質よりお芝居が大切!!

とはいえ、声が良いから必ず声優になれるかと言うとそれも違います。

あくまで声優は役者であり、声の良さは付加価値にすぎません。

最も重視すべきなのは、お芝居であることを忘れないでください。

声優の仕事は、キャラクターに声を合わせるのではなく、演じた声をキャラクターに吹き込むことです。

それを忘れないでくださいね。

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